scene.1

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脱ぎ方が豪快で、実は毎回かっこいいと思っている。 浅野の肌は俺より少し日に焼けていて、右の鎖骨の下には小さな黒子がある。 肩からは伸びる腕には滑らかに隆起した筋肉がついていて、ちょっと重そうだ。 広い肩幅からウエストにかけてギュギュッと締まっていく。 「っ……う……」 舌先で胸の先端を転がしながら、ジャージのズボンとボクサーパンツを一緒に下げられる。 これから起こることへの期待感のせいで、俺のものはすでに反応し始めていた。 「あ、さの……」 「ん?」 「早く……しろ……」 「もう後ろ弄られたいんですか」 「……とっとと馴らして、入れろ」 早くわけがわからなくところまで連れて行ってくれ。 向き合って抱き合うのは苦手だ。 この男の舌がどう動くのかとか、目を伏せる感じとか、そういうの全部見えるのが恥ずかしくて堪らない。 俺が見えてる分だけ、こいつも俺を見ているのかと思うと、もっとやばい。 「入れろ、なんて言葉を言われる日が来るとはな……」 「ごちゃごちゃ言うな……っあ……」 ジェルを纏った指が後ろの孔に触れる。 入口を濡らしたかと思うと、少しずつ奥へと侵入していく。 俺は堪らず浅野の頭を抱き寄せて、髪がぐちゃぐちゃになるくらいかき混ぜた。 それは同時に奴の頭を自分の胸の下辺りに押し付けているということで、さらに追い詰められていく。 浅野の舌が、唇が、熱い吐息が、肌を湿らせていく。 「あッ……はあっ、はあっ」 「……きついですか」 「だい、じょぶっ……んっ」 「ああ、くそ……たまんねえ」 「うあっ」 そこに触れられた途端、抱え込んでいた頭を話して、俺は仰け反った。 気付けば指は三本に増えている。 広げるように動き回り、合間に前立腺への刺激も忘れない。 「……七瀬さん……こっち見ろ」 「な、に……」 見れば、浅野は顎を上げて、俺に向かって舌を突き出している。 俺は迷わずそれにむしゃぶりついた。 これを甘いと思うなんて、俺の頭がぶっ飛んでる証拠だ。 呼吸もままならないくらい間断なくキスを繰り返しながらも、中の指は的確に良いところを突いてくる。 「ああっ、も……もう、いいから……あッ」 「もう少し」 「いいっ、いいって……早く」 「……ったく、せっかく俺が我慢してんのにあんたって人は……」 苦しげな声が鼓膜を震わせた途端、衝動に駆られるように浅野の指を引っこ抜いた。
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