お友達の作り方

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和泉が復活! 和泉は教室で皆に囲まれて偉そうに胸を張っていた 清光は呆れ顔で見ている 「まったく…取り巻きに囲まれて偉そうにして…」 銀は窓辺で雲を見つめている (フワフワ…柔らかそうだなぁ。あ、形がまた変わった) 「銀、今日うちの馬を見に来ないか?」 「う、ま?……行く」 銀は目をキラキラさせた 取り巻き達は不満そうだ 何で、アイツは和泉から声をかけて貰えるんだ?と 放課後、和泉の家“杉家”に向かった 馬小屋に黒い馬が一頭居た 「昨日、届いたんだ。仕事の礼らしい」 子供達は、はしやいだからか馬が警戒したらしく荒れだした 「怖いよ…」 和泉は困った 大人数だから馬が怖がったのか? 銀は馬を見つめ優しく声をかけた 「驚かせて御免ね…危害を加える気は無いんだ……」 馬は荒れていたのが徐々に鎮まっていった 「スゲエな銀!」 和泉が目を輝かせた 馬は銀に鼻面を擦り寄せた 「ふふ…擽ったいよ。」 そんな銀を見て、和泉と清光は悪い奴じゃないと思った 動物がなつく者は悪意を含んでないと言うから 「この仔の名前は?」 銀が小首を傾げて聞いてきた 「まだ決めて無いんだ…何にしようか悩んでる」 「へぇ、じゃ俺達も手伝うよ」 と子供達がまたワイワイ 銀は馬を撫でて落ち着かせていた 「綺麗な毛並み…優しい瞳…立派な骨格…お前は良い仔だ。大人になるのが楽しみだね」 子供の和泉に合わせて仔馬を用意したのだろう 小柄で黒毛 けれど、しっかりした骨格は子供なら乗せられるだろう 銀は優しく声をかけ撫でた 馬も落ち着いている 「黒丸」 「雷光丸」 「雨宮さん」 『は?』 「やっぱ軍信丸」 ……………。 銀は苦笑いした 「凄い名前が付きそうだね…」 まだワイワイしている 「玄隆<げんりゅう>」 銀が呟いた 「お、良いな!カッコいいじゃねぇか」 和泉は馬に近付きポンと軽く叩き 「お前は玄隆な」 馬は、玄隆は分かったと言うように鼻を鳴らした 銀はクスクス笑って 「玄隆、宜しくね」
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