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銀は考えていた
どうして、10柱の神が居て不作が続くのか…
(何かあったかな?)
社に10の気配はある
けど、土地に力が無い
けど、社に行きたくないし…
しばらく様子を見ようと思った
春になれば土地の力が高まる時期だし
その時、その年の実り具合も分かるだろうと…
「今年はな、熊の被害0だったんだ。それに作物の出来が良かったらしい」
「そっか…熊さんも山だけで食べていけたんだね」
「あ、そうか…山の幸があったら下りて来る事ないんだよな」
そして寝静まる……
銀はそっと起きると音も無く部屋を出た
外に出ると山の社の方を見た
そして村を見回すと
「村に幸のあらん事を…山の仔らに恵みのあらん事を…」
と呟いた
ゆっくり目を瞑り
土地の力の流れを読み解く
(気の流れは正常…凝りも無い。これなら次の実りも大丈夫…)
銀は微笑んだ
ここがオレの守る場所
オレの領域…
愛するモノ達…
銀は優しい気持ちで辺りを見回した
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