仔狐は九尾の銀狐の姿だった

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たき火して、魚を焼く 銀は少食で小さい魚が良いと言う 水遊びで冷えた身体を温める為にも日向ぼっこしていると 誰かが山の社に挨拶に行こうと言い出した 村の守り神達の居る、山の中腹に隠す様にある神社 新顔を顔見せしよう、という事なのだろうが… 和泉と清光は、え?、という顔をした 正式に受け入れたと言えないから… 銀は銀で、いやぁ…それは少しマズイかな、と思った 話は勝手に進み、行こうとなった 「え?今から…?」 銀は戸惑い顔… 仕方ないと、出発してしまい、銀は付いて行くが (ごめんなさい、えっと道を隠します) 山に入って社に向かうが、山の出口辺りに出てしまう。何度試しても同じだ 「あれ?おかしいな…一本道なのに」 「清光。こんな事なかったよな?」 「なかった。神々の方々に拒まれたか?」 ((おかしい…なんでだろう?)) 銀は黙り込んでいる そして、日が傾き始めた為、帰る事になった 「仕方ない、今度な…」 「…うん…」 銀は帰って来ると、河岡に出迎えられ 「今日は楽しめましたか?」 「川遊び…したの」 銀の表情が微かに綻んだのを見て、河岡は笑いかけた (良かった。楽しかった様で) 最初は河岡が暮らしが貧しいのを気にして、銀はあまり食べないのかと思ったが 今は本当に少食なのだと分かり、少なくても栄養がとれるよう工夫した (好き嫌い無くて良かった…) (先生…真っ黒だよ。これ炭だよ。他の子供達に食べさせて無いよね?) 銀は内心、心配した ちょっぴり失敗したと言う河岡に、最初は銀はポカーンとした ここ数日で河岡の料理下手が分かり 料理、覚えよう…と思った 山菜、薬草の知識はあるから、後は調理の仕方だけだ (先生の健康の為にも早く覚えよう…) そう心に固く誓う銀だった
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