京都1日目

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そうしてそのまま、ユキと一緒に下鴨神社を散策した。 「ユキやばい下鴨神社って縁結びの神様らしいよ。  これから更に良い仕事を  つないでくれる人に出会えますように(切実)」 「割りと有名な話しだけど知らなかったんだ笑  それで行きたがってるんだと思ってたよ」 「いや、行きたいと思ったきっかけはゲームでして…笑  ここに導いてくれたあのゲームに感謝。  京都御所もそうだったけど、  暖かかったせいかここも紅葉具合が微妙だから  今度は春に桜でリベンジしに来なきゃ。  下鴨神社の桜見たことある?」 そんなことを話しながら一番奥まで行くと、 干支の守護神が祭ってあった。 自分の干支である兎にお参りをして、 ユキの干支の虎のお守りをお土産に買った。 人と人との縁をつなぐ下鴨神社。 ここのお守りが1番だと思えた。 初日でここにこれたのは幸運だった。 帰りにも糺の森をゆっくりと散策した。 涼しいような、空気が澄んでいて透明なような、 けれど霞がかっているような不思議な感覚。 小さな小川が流れていた。 水の音を聞こうと耳をすませると、 鳥の声も同時に耳に届く。 聞いたことのない鳴き声。 目を凝らすと、見たことのないきれいな小鳥。 バードウォッチングをするにも 人気のスポットなのではないだろうか。 そして「落ち葉の絨毯」という言葉が ピッタリ来るほど敷き詰められた葉。 土が見えるところがほとんどない。 あぁ、こうして土に還っていくんだな、と感じる。 それは雨が降って地面に吸い込まれて行くように、 ここに佇んでいる木の葉が降りて地面へ還っていくのは 自然なことのように感じた。 コンクリートの上に落ちた葉を見ては 「掃除しなきゃ」としか思えていなかった 自分の感覚とは思えない。 神々しいほど立派な木々は、 1番下の枝ですら家の屋根よりも高いところに あるのではないかと思う。 どこを見ていても飽きる気がしない。 ―下鴨神社は20分ほどで出たけれど、 気がついたら糺の森には1時間以上もいたらしい。
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