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「あぁ、頼んだ。きっと俺より、平人の方が良くやるだろうから。…頑張れ」
手をひらひらさせてどこか投げやりにそう告げると、席を立ってドリンクバーに向かっていった。
「俺も取ってこようかな…」
呟いて、平人も席を立った。
テーブルの上にあったハンバーグやピザ、サラダ、フライドポテトはだいたいなくなっていた。
何か取ってくるかい、と平人は歌うように智貴に聞いたが、待ってる、と首を降った。
長めの髪が揺れて形の良い切れ長の目がちらりと覗いた。
(髪の毛切った方が格好良くなるし、印象も良いだろうな)
そう思ったが、言わないでおいた。
ドリンクバーに着いた平人が楽しそうに千穂の隣に立って
「ねぇ、千穂。まだ言うことあるはずなのに、隠すとは酷いじゃないか。…俺と君の仲なのに」
「気分が悪くなること言うな。何もない」
大げさに身震いしながら千穂が答えた。
じゃあさ、とグラスを持った平人が千穂の肩に手を置き耳もとで囁く。
「もしかして智貴くんって柔道仲間かい?」
「どこでそれを知った?」
言外に、もう聞くな、というプレッシャーをかけつつ低い声で千穂は言った。
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