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翌日。
否、平人があの教室を片付けた五時間後、日が昇った後の、午前九時頃。
第三校舎、科学館の入口は、人でひしめきあっていた。
「平人、お前さ、あの後、何をした?」
「なにって、後片付けだよ。千穂、俺を疑うの?」
「…気色悪い。やめろ、こっち見んな」
「ひっどーい、平人、泣いちゃうっ!」
目元に手を持っていき、泣き真似をする。
千穂は完璧に無視をして、スタスタと歩いていく。
「千穂兄! かがっち先輩!」
手を振りながら走ってくるのは、のえるだ。
平人達をそう呼ぶのは、彼女一人しかいない。
「智くんが嬉しそうにしてたよ、この対応にはかなりドン引きしていたけどね」
追い付いた、と笑ってから平人と千穂を交互に見て言った。
「俺は知らない」
「みたいだね、智くんは『平人ってやばい奴だったのか』みたいなことを言ってたし」
「なにそれ? 今回の犯人である、あの子の方が危険でしょ?」
「知らね」
「あたしも知りませんね」
「良いしー、もう良いもんねー」
平人はむくれて、背中を丸めながら歩いていく。
その後ろを、千穂とのえるが笑いながらついていく。
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