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校内一有名な二人組、千穂と平人のことを注目する人は、やはり多い。
千穂の言う通り、カメラを向ける者も少数派だがいるのであった。
けれども今朝は、科学館の方もにぎやかだった。
『おい、やばいよな、コレ。ストーカーの犯人がまた捕まったことは良いのかもしれないが…』
『また、って、今回もあいつらか? 制裁にしても、コレはさすがにないよなあ』
『はあ…、木方様、今日も格好良いわ』
『潰し屋も変なことすんのな、平人の仕業っぽいけど』
『潰し屋の、何が良いわけ?』
『何って、お前…』
『は、え? なにこれ信じらんない! どうして?』
ひときわ大きく響いた、女の悲鳴じみた声。
科学館にいた人が、一斉に声の方を見た。千穂達も遠くから、何事かと振り返った。
「面白そうなことが起きたじゃん」
言外に、行ってきても良いか、と聞いている。千穂は何も答えないが、きっと考えていることは同じだろう。
「かがっち先輩…、なんだか尊敬するわ」
「俺も見ていてやる、行ってこい!」
よっしゃ、嬉しそうに言って拳を突き上げた平人は、科学館の方へと走っていった。
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