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“スポット潰し”と聞くと、聞こえが悪いかもしれないが、彼ら二人組は無許可で行動を起こしているわけではない。
相応のバックアップがいる、…らしい。
まあ、潰し屋が崇められる理由はまだあるのだが。
冬へと向かう日の、のどかな昼下がり。
「賭けようぜ、千穂。今度の課題、どっちが点数高いか」
「興味ない。勝手にしろ」
「かがっち先輩、レポートは大丈夫なんですかー?」
穏やかで温かい日差しが差し込むキャンパスで、学生たちは、それぞれの目的地へと歩いていく。
千穂はふと窓の外を見て、レジャーシートを敷いて手作り弁当を食べている二人組が羨ましく思ったが、同時にどうでもいいとも思った。
平人とのえるは、いつものように不毛な争いを繰り広げていた。
「おい、三限遅れる」
短く言うと、
「あ、ごめん。のえるちゃん、またね」
ぱたぱたと靴音を響かせて、付いてくる人が。
「千穂兄、ありがとう。…かがっち先輩も」
キラキラの笑顔を向けてくる人も。
(悪くないかも)
なんて思ってきたのは、最近のことだ。
日の光に反射していたカメラを睨み付けながら、千穂は口もとを緩めた。
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