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ゴソゴソと2段ベッドの上が動く。
ひょこっと、2段ベッドから顔を覗かせる。
「…夕月おはよう」
「…おは、よう、伊織…毎回思うけど、何で一々僕の部屋で寝てるの」
そう、この部屋は僕の部屋であって伊織の部屋ではない。
昔は2人の部屋だったけれど、中学から2人部屋に成ったのだが…。
「へ?、夕月は俺と一緒が嫌なのっ」
「…そうじゃないよ、僕とばかり一緒にいて、少しは一人になる練習しなきゃ」
伊織の顔が険しくなる。
「なんでっ」
「何でって、僕と伊織もう15歳なんだよ、高校1年生で一緒に寝てるのってヘンだよ、それに僕これからミュージカルの台本読まなきゃならないし」
伊織の顔がもっと険しくなる。
やっばっ、僕が勝手にオーディション受けたの知らないんだった。
と、思っても…もう遅い。
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