僕の期間限定な命の灯火

3/17
前へ
/47ページ
次へ
「…おそいょ夕月」 椅子に保たれながら、ペットボトルをぐいっと煽る。 水色の髪の毛がさわさわと揺れる人は今をときめく人気絶好調のアイドルの片割れでもあり、双子の弟でもある逢坂伊織だ。 「ごめん、ごめん」 「Raiaの二人はじめるよ?っ」 「はいっ」 カシャカシャと静かな空間にカメラの音が小玉する…。 僕はこの音が大好きだ、今生きている時を収める音…が。 「…いいよ、そうそう…夕月くんちょっと服肩まで脱いで、伊織くんは夕月くんの胸元に顔をうずめて、目線伊織くんはこっちね」 伊織は真っ黒い上着にYシャッは黒く、僕は真っ白服に肌には血が流れている…写真を幾つも撮影する。 「…双子のヴァンパイァモノは売れるかなぁ」 「売れますよ、伊織くんと夕月くんのこの写真で又世間も放って置きませんよ」 コソコソと話し声が耳に入る。 伊織がクスリと笑っている、どうやら伊織にも聞こえているらしい。 「はーいOKだよ…確認入りますーっ」 僕の元にスタッフが駆け寄り、血のりを拭い去れる。 血のりとは、今僕が使っている本物の血に見せかける為に落ちやすく、本物そっくりに出来ている、絵の具の様なモノだ。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加