僕の期間限定な命の灯火

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「で、何で遅く成ったの」 「えっと……」 焦る僕に、伊織の目が険しくなる。 グイッと僕の腕を掴む、伊織に苦笑いを見せる。 「…誤魔化さないでっ」 「あ…うん、そのねっ」 本当の事は言えないから適当に嘘を付く。本当は…病院に行ってたのだ。 小児科の時からお世話に成っている病院に…本来なら後、半月後に定期検査だったのだが…身体が熱っぽく、鼻血が止まらない事で僕の中にはある疑惑が浮かぶ…。 生後10ヶ月から、ある病気に僕は侵されて苦しんで来た…幸い3才の時に完治したが……半年後再発してその時も2年後に完治した…それから5年間何事も無かったら完治したと思っていいと言われ、5年間はあっという間に経った…はずだった。 病院で言われた一言が重くのし掛かる。 「…嘘ですよね」 「……夕月くんは2回再発している、その時点でかなりの覚悟をする様にと…まだ幼い君に両親から告知されたよね…」 僕は頷く、余り覚えていないが…両親が必死に涙を我慢して僕に何かを言っていた…事は売る覚えだが覚えている、それから痛くって苦しかったのを鮮明に覚えている。
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