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電車を降り駅の改札を抜け空を見上げた。
どんよりとした曇が一面に広がる。
私の生まれた街に似合う空だ。
「ふぅ」
溜息をついてバス停に向かった。
コツコツとヒールの音がする。
髪だって風になびいている。
服装と化粧だって完璧だ。
でも、あのババアが住んでる居酒屋の二階に帰る為。
そんな理由で、この町に戻った訳じゃない。
なんだか気になるフラワーショップのあの人に、綺麗になった自分を見て欲しい。
バスに乗り込んで窓に流れる風景を見ているとドキドキしてきた。
なんだろ、この気持ち。
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