さようでございますか 佐也加の恋6

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少し話してみたら緊張がほぐれて胸のドキドキが収まってきた。 彼の屈託のない表情としゃべり方で安心したみたい。 彼の顔を冷静に見てみると、はっきりとした眉に涙袋のある目。 鼻筋は真っ直ぐ通っていてひげ剃り後もなく綺麗な肌。 ただ彼の手は、花を触って水にも触れるからか ザラザラと荒れていた。 「指が長いんですね」 「そう?長いかな?」 彼は手に持ったコーラをテーブルに置くと手のひらを顔の前で広げた。 「あ、生命線も長いですね」 「そう?長いかな?」 「でも、知能線は短い」 「あー。バカがばれた」 彼は広げた手を頭にあて短めの髪をパンパンと叩いた。 佐也加は子供っぽい仕草をする彼に好感をもてた。 「で、どうだった釣りの方は?」 「でかいの釣りましたよ」 「へぇー女の子が凄いね」 「凄いでしょ。漁師のおじさんに手伝って貰ったけど」 「なんだプロに手伝って貰ったのか」 「て言うか、あまりに大きな魚がかかっちゃって、竿ごと海に引きづり込まれて助けて貰った」 「えっ!海に落ちたの?」 「うんん。私が油断してたら竿が引っ張られて竿が海に落ちただけ」 「なんだ、君が落ちたんじゃないんだ」 「私が落ちたらよかった?」 「あはは。そんなこと言ってない」
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