開門と別れ

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――― 「姉さん!?これはどういう?」  耳に届いたのはレーラの声。聞こえるはずのないレーラの声だ。  俺の前にあるのは門の扉。完全に閉じてもう二度と開く事はない。  少し遠くから足音が迫ってくる。徐々に大きくなった足音が止むと同時にポンっと背中に何かが押しあてられる。 「…………これで良かったんだよね?」 「ああ、ありがとう」  俺は振り向く事も出来ず、押し当てられたチスイの頭を背中で感じていた。門を見上げる。魁は無事に帰れただろうか。今頃怒ってるかもしれない。いや間違いなく怒ってるだろうな。アイツの事だからもう一度俺を連れ戻しに来ようとするかもしれない。がその方法はないに等しい。 「チスイ、リリィをラグナに頼む。俺は龍母と天界の王の所に行ってくる」 「……うん。分かった」  チスイの頭が俺の背中から離れ、龍母の承認の証である首飾りと天界の王の承認の証である指輪を俺に渡す。俺がそれを受け取ると、チスイは俺に背を向け、未だ状況の掴めないレーラ達の元に歩み寄っていく。  俺は再び門の方を向き、門を見上げた。
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