3.

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完全に正体を失くしている彼女を抱き枕代わりにぐっすり眠った翌朝、 伸也からの電話で起こされた。 中東でトラブルが発生して、 当初の予定を早めて伸也と紗羅はそちらに向かう必要があるとのこと。 伸也は一足先に現地入りするようで、 もう空港に向かう車の中とのことだった。 「今日の恭一とのアポはルークに任せる。 こちらから渡す資料は紗羅が揃えてるはずだからそれを説明して、 恭一からはレポート受け取って説明を聞いてくればいいからよろしく頼む」 アッサリ言ってくれる。 仕事を任せられるのは嬉しい一方、 日本の財界に関する知識はアメリカのそれと比べるとまだまだ不十分だと自己認識しているルークとしては、 ちょっと緊張するものがあるがそんなことはお構いなしだ。
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