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綾女の夫は、ドメスティックバイオレンスの加害者。
被害者となった彼女を、あの家から連れ出したかった。
そして綾女も、きっとそう望んでいたはず。
俺も逃げ出したかった。
綾女への思いは募る一方で、冴子への愛情はもう微塵もない。
少しでも会える時間が欲しくて、俺は綾女が暮らす札幌へ転居する事を決めた。
しかし、もう時は既に遅し。
俺が札幌で暮らす事を決めた頃には、もう綾女は当時の恋人と結婚を決めていたのだ。
だから俺は、そんな幸せそうな綾女の姿を見ていたくなくて、逃げるかのように1人浜松へ向かった。
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