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冷めきったコーヒーを啜り、小さく溜め息を漏らす。
―――綾女はこんな思いで俺に抱かれていたんだ……。
俺が知り得なかった彼女の気持ち。
それを今頃になって、俺はこの小説の中で知る事となった。
認めたくないけど、もう完全に確信している。
この小説の著者である時雨怜叶。
彼女の正体は、かつて俺が愛した1人の女。
咲良の姉さんは、もうこの世にいない。
1人娘と作品を残し、俺に死を伝えず亡くなってしまった愛しい人。
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