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第2章のタイトルは“しとしとと降る雨”。
長く書き連ねられたこの章の出だしには、俺と綾女が初めて体を重ねた日の事が書かれていた。
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空から降るのは生温い雨。
恋を失い傷付いた心に寄り添ってくれたのは、相合傘の隣にいる美しい青年。
彼と会うのは、今日がまだ3回目だった。
恋人のいる男性との相合傘は、少しだけ切なさを感じる。
今こうやって私と一緒にいても、彼にはちゃんと帰りを待っている人がいるのだから。
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