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桜田の心の葛藤…。
三人は何も言わずに黙って聞いている。
「僕はアキに連絡する時間もなく、すぐに支店へと向いました。
支店に行き、仕事を終えて部屋に戻ると、そこには社長の娘のマリエさんが居ました。
マリエさんは僕にこう言ったんです。
これからは私があなたのお世話をします。
私はあなたの奥さんになるのですからと…。
僕はマリエさんを拒否することは出来なかった…。
その後ろめたさで、アキに連絡することが出来なかった…。
僕は…、アキを裏切り続けたんです」
ここまで話すと、桜田の言葉はピタリと止まってしまった。
桜田は母親のことは言わなかった
桜田の中には、アキの笑顔だけが浮かんでいた。
自分を支え続けたアキの笑顔が…。
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