第十話  変わらぬ想い

4/23
前へ
/23ページ
次へ
桜田の心の葛藤…。 三人は何も言わずに黙って聞いている。 「僕はアキに連絡する時間もなく、すぐに支店へと向いました。 支店に行き、仕事を終えて部屋に戻ると、そこには社長の娘のマリエさんが居ました。 マリエさんは僕にこう言ったんです。 これからは私があなたのお世話をします。 私はあなたの奥さんになるのですからと…。 僕はマリエさんを拒否することは出来なかった…。 その後ろめたさで、アキに連絡することが出来なかった…。 僕は…、アキを裏切り続けたんです」 ここまで話すと、桜田の言葉はピタリと止まってしまった。 桜田は母親のことは言わなかった 桜田の中には、アキの笑顔だけが浮かんでいた。 自分を支え続けたアキの笑顔が…。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加