第9章 そしてもっと深い闇

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今の僕は傷ついた獣。 シャツの前をかき合わせ 夜明け前の寒さと屈辱で震える身体をきつく抱く。 闇に隠れるように歩を進め 少しの物音にも怯えた。 現実には――擦り傷程度の痛みなのかもしれない。 ただ収まらない動悸が 今にも平常心を奪い去りそうで怖い。
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