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  そこは、一面真っ白だった。 おかしい。 バスに乗り遅れそうになったから、近道の公園を走っていて、 … 嗚呼、彼奴に呼び止められて、それから? それから … 。記憶から消えている。 あ、足元が光った気がした。まさか。 魔方陣? 「正解です。申し訳ありません、貴女は召喚に巻き込まれてしまいました。彼は先に転生しましたが、向こうの世界で彼は魔王討伐ではなく戦争に利用されます。貴女を此方に呼んだのは謝りたくて。」 目の前に現れたのは、半泣きの女性。 背中に、大きな羽のついた翼を背負っている。鳶みたいに、大きな翼を。 「と、鳶ですか?翼は背負ってません、ついています。貴女の思考は面白くて、興味深い人ですね。これから、貴女も転生されます。能力は、チートというものを渡しました。拒否権は、ありません。そのまま転生されますか?」 拒否権がないなら、聞かなければ良いだろうに。 能力は、チートか。確実に巻き込まれる。 そのまま転生しよう。赤ちゃんからだなんて、面倒だ。 「女性のまま転生されますが、彼は貴女が女性なのを知りませんが言うつもりありますか?」 全く言うつもりありませんね。性別で態度変える野郎なんぞに。 「携帯小説を読まれているようなので、世界観と知識も能力に携えてあります。次に目覚めた時は召喚の時です。因みに、彼はチートというものを渡してません。勇者に相応しくないので。お気をつけて。」 女性が手を小さく振った。 瞼が重くなる。 そうか、彼奴はチートじゃないのか。 ん?それって、駄目じゃないのか?  
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