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ケツの穴は痛くはない。無事なようだ。無事なようだが……他は無事ではないのかもしれない。
「寝ぼけてんですか? それとも夕べの記憶がないとか?」
あたふたと全身をチェックしながら、記憶を手繰る。
その通りだ。途中から記憶がない。夕べは若い女の子が大勢いるキャバクラ店で飲んでいた。
久しぶりの酒に弾けてしまった俺は、女の子たちと大騒ぎをして、目が回って、眠くなって……そこからはぷっつりだ。
「夕べは楽しい酒だったようですね」
「あの、俺なんかやった? 途中から記憶が飛んでんだけど……」
「菜緒さんが店で寝てしまったと立蔵(たつくら)から連絡が入ったので、俺が迎えに行ったんです」
「マジか……」
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