31人が本棚に入れています
本棚に追加
カレはいつも、わたしよりひとつ手前の駅で降りる。
カレと、同じ高校を受ければよかった……
別れ際、わたしはいつもそう思う。
だからわたしは、カレが降りる駅に着くまでの間、できるだけカレに体を密着させる。
わたしの香水の匂いが、カレの制服にうつるように。
そうすれば、わたしの匂いだけでも、一緒にカレの学校まで連れて行ってもらえるから。
香水の香りが消えてしまうまでは、わたしはカレの体にくっついていることができる。
そう思うと、わたしは学校に着いてからも、カレと一緒にいるような気になれた。
だからわたしは、毎朝、少しだけの香水をつけるの。
最初のコメントを投稿しよう!