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幼い頃に負った傷。
両親の離婚によって、俺は結婚や出産といった“家庭”を築く事柄に抵抗を覚えた。
冴子と結婚を後悔した理由の1つもそう。
ましてや今、彼女は俺の子どもを妊娠して……―――
「おいっ!!」
ぼんやりと傷の付いたリングを見つめていた俺の視界に、朱鷺さんの顔がひょっこりと顔を出す。
きっと、仕事に集中できずにミスを繰り返す俺を咎めに……―――
「飯行くぞ、飯!」
「は……、はいっ!!」
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