最悪すぎる始まり

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ヒソヒソ話。 下品な笑い声。 誰かの悪口。 黄色い悲鳴。 ……うっざ。 馬鹿じゃないの。 とは言えず、 「あー、そうだよねぇ、うける」 腹の中で思ってすらいないことを、まるで台本を読んでいるかのように口にする。 そんなあたしに気づかない周りの奴ら。 ここにいる奴らは、全員あたしの人生のエキストラだ。 あたしはその中で演じている女優。 もし仮に、あたしの人生が本当に映画化されるとしたら、誹謗中傷の嵐に違いない。 それくらい、あたしはつまらない世界で生きていた。
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