珈琲に酔う昼下がり

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本を1冊片手に歩く いつもと同じ帰り道 桜並木は今日も綺麗ね もう少し暗くなれば街灯で 綺麗らしい星空は消えてゆくけど いつもと同じ扉を開けて いつもと同じ窓際の席 左端は君のために なんて来るかもわからないのに 珈琲の香りに酔いました 君の匂いは いない いない わかっていたことだけれども ちょっと期待しちゃうじゃない 気にしてないよ そんなフリして 読み終わらない本を読む それが何よりの証拠でしょって 言われたくなくて ページをめくる しおりの位置は ずらさないから 毎日同じページめくってる なんとなくなんとなく 悔しくて 今日は1ページ進んでみようかしら 珈琲の香りに酔いました 頭がぼうってしてきちゃって 君のこと なんか知らない知らない 別にいつものことだから 今更視界は歪みませんよ なんてちょっと 強がって 珈琲の香りに酔いました 苦い苦い ブラックコーヒー こんなこと 続けるのかな 君の席 やけに冷たいよ 甘党なの ブラックコーヒーは ちょっと飲めない いつものオレンジジュースは カランコロンと音をたてて 音は終わりを告げました また明日きます 店員さんも苦笑い 本を片手に歩きだす 珈琲の香りに酔ったみたい だから視界は歪んでるんだよ 癒してくれるはずの星空は やっぱり街灯で見えなくなってた
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