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一夜限りの恋ほど、美しいものはない
嫌うのは 愛を待てないひと
愛を追いかけるひと
勝ちも負けもないというのに
心をほしがるひとは
その欲にいつか飲まれるだろう
第一章が始まってすぐ、「報酬は、貴女にしましょう」という誰かの台詞を読んだところで、無意識に呼吸が浅くなっていて、彼はベッドに座って目を閉じ、深呼吸を数回繰り返した。
「俺は何も知らないんだよ」
楠木七生が追ってくる。
イヴの夜は、ジプシーで出会った真由と過ごした。
クリスマスの夜は、瑠璃に誘われて月が丘へと出かけた。
いずれも午前零時だったというだけで、再び彼を疑う刑事が店へやってくるようになっていた。
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