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【Side ???】
「新入生代表挨拶」
司会の先生の言葉で、厳粛に行われていた入学式が雰囲気を変えた。
挨拶の最中もヒソヒソと会話をする声が、新入生からも在校生からも聞こえてくる。
「ねぇ、あの人かっこいい!」
「ってゆーかRyuよね、あの人!」
「同じ学校で、同じ学年にRyuがいるなんて・・・幸せすぎて、私死ねる!!」
壇上でお辞儀をする男を見てキャッキャ騒ぐのは新入生。
「ねぇ、あの代表ってRyuよね?」
「やっぱりRyuって似てると思わない?」
「あ、それ私も思った!」
「えー、似てないよー」
対して、淡々と討論するかのごとく話しているのは在校生。
「新入生代表、神凪竜」
ヒソヒソ話も、その言葉が発せられた途端一旦止み、ほんの一瞬だけ静寂の時が流れた。
「やっぱりそうよ!!」
「神凪なんて苗字なかなかいないもん!!」
女子が騒ぎ始める。
止めようとする教師などいない。
「あの格好良さも納得よね、Ryuのお兄さんなら」
「でも、やっぱり私はRyuより秋君がいいな」
館内が静寂を取り戻さないまま、入学式は幕を閉じた。
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