かごめかごめ

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【Side 恭平】 「今年新入生代表やったの、あのRyuなんだって?あれ、神凪竜って言うらしいじゃん。もしかして秋の弟?」 雑誌から目をそらすことなく、横で本を読んでいる秋本人にそう問えば、彼はすぐに肯定した。 そうか、あれはやはり秋の弟だったか。 確かにイケメンだった。 秋に似ているところもあった。 らしい。 式に参加しなかった俺にはわからない。 「あいつは父親似で、俺は母親似だから、そんな似てないですよ」 一つ年下の後輩、神凪秋は在校生で知らない人はいないというほどの人気者。 見た目もあるが、クールで、あまり人前にでないところも、女子から騒がれる原因となっている。 一方男子は、それを僻むでもなく、ただボーッと見つめている。 そう、『見つめている』のだ。 彼には同性をも惹きつける力、俗に言う魅了がある。 かくいう俺もその一人なのだが。
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