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「ってか、これ秋のことじゃん。『なにやっても完璧で、ずっと俺が追える人』」
「先輩、なんの話してるんです?」
確かに好きなタイプの話だが、強ち間違えていないと思う。
「俺、男ですよ。竜も。それに竜は俺の弟です。毎日顔合わせててそんな素振り見たことないですし。ありえません」
これだから無自覚は困る。
わかりきってるではないか。
では、一つ屋根の下に住んでいて毎日会うことができるのに、なぜこうして同じ高校に来た。
少しでも秋と一緒にいたいからだろう。
「考えすぎですよ。竜は俺と張り合いたいだけです。弟ってそんなものなんじゃないですか?」
弟君も不憫だな。
想い人に全く伝わっていない。
完全に恋愛の対象から外されている。
まぁ、だからって手を貸すつもりも、ましてや引くつもりもないのだが。
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