かごめかごめ

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「竜のやつ、本当にうちの高校受けたんだな」 今日の入学式を思い出しながら秋に尋ねると、隣の美男子は大きな欠伸をしていた。 秋と幼馴染みな俺は、もちろん竜とも幼馴染みと言える仲である。 まぁ、アイツはただ秋についてきていただけなのだが。 「仕事続けるなら高校はやめとけって言ったんだけど」 それは聞き入れないだろうよ、秋さん。 アイツは1分でも長くお前といたくて仕方ないんだから。 「騒がれなきゃいいけど」 「無理だろ」 秋の発言に間髪入れずに突っ込む。 本当にわかっていない。 秋の人気は学校一だ。 竜はそういう騒がれ方をするだろう。 "神凪秋の弟" それは即ち、高嶺の花だと言われている秋の存在が身近になるということ。 そうすれば、みんな秋に寄ってくる。 騒がれるのは竜ではない。 秋本人だ。 実際、入学式で"Ryu"に反応していたのは1年の女子だけだ。 2年以上は秋の話題で持ちきりになった。 当事者である秋は入学式には参加しなかったため、そんなこと知らないが。
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