31人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――――
すっかり話に花が咲き、気付けば9時を回っていた。
「送るよ。家、近いんだろ?」
問い掛けると、ありがとう、といって、あっち、と指差した。
俺の自宅と同じ方向か。
並んで歩き出す。
図書館からゆったり歩いて7、8分程のマンション。
「ここよ。ありがとう、送ってくれて。そしてご馳走さま。またね」
ニッコリ笑って背を向けた彼女を思わず引き寄せたのは、衝動的だった。
ほら、また目をまん丸にして固まった。
ダメだ――――。
「…好きだ―――千景…」
ああ…言ってしまった…。
最初のコメントを投稿しよう!