幼少期

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地面に広がる魔法陣が眩い光を放ちました。 その光は魔法陣の中心に収束し、レオ君の手のひらに浮かびました。 そして、光が迸り魔武器が姿を現しました。 薄くて長い掌サイズの滑らかな木で出来た握りやすいフォルム。先は少し膨らむように大きくなっており、幾多もの小指ほどの長さで均一に生えた白い繊毛。 「……」 「……」 レオ君は魔武器を握り締めて、シオンはそれを見つめて。 二人は無言で魔武器を眺めています。 「……何これ」 レオ君は魔武器を見つめながら答えました。 「……歯ブラシ、だな」 「……え?」 どうやらレオ君は自分の魔武器に納得がいかないようです。 「あれー? 魔武器って剣とか槍とか盾だとかそういう類いの物が作られるんじゃないの?」 「……もしかしたら遺伝なのかもしれん」 そういうとシオンは掌に魔武器を召喚しました。 掌には渦巻きの模様をしたマーブル色の親指サイズの石ころがありました。 「これが俺の魔武器なんだが、この通り石ころだ」 「つまり遺伝で魔武器なのに武器を作らないってこと?」 レオは魔武器を消して答えました。 「いや、そうじゃない。モノは使い用でな。これは俺にあった代物なんだよ。 これは飲み込むことで一時的に俺の本来の力が出せる代物だ。 まぁ、これをやると数日くらい身体が痙攣して動けなくなるんだが。 だから、武器に付与させて35%程の解放率で使用することが多いかな。 えーっとだな。つまり、あんな形でも何かしらお前に適した力が秘められているのは確かなんだよ。 ……見た目がアレなのは遺伝かも知れないけどな」 最後はどこか遠い目をしてシオンは言いました。 「ルーはちゃんとした魔武器になると良いね」 「本当な」 シオンは魔武器を消した後、レオ君を連れてクレアの元へ戻っていきました。
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