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「ん、あ、あれ?」
レオ君は目を覚ますと自分の部屋で横になっていました。
そこにシオンがやって来ました。
「起きたか、レオ」
「あれ? 僕は一体?」
レオ君は気怠そうに身体を起こしました。
「お前は昨日、親方のところで刀打ったらしいな。そこで刀身を作り終えて気絶したらしい。
お前みたいな小さい身体で刀打ったんだ。そりゃ倒れてもおかしくないだろ。
まぁ、倒れた理由は恐らく魄の枯渇だ」
魄は生物に存在する大本となる力で魔力、闘力、殺力、覇力などと呼ばれるエネルギー体に変換され利用されます。
魂から溢れ出るオーラというべきものです。
「元気なことはいいことだが、しばらくは大人しくしとけ」
「うん、分かった。それでね、お父さん」
「どうした?」
レオ君は深刻な顔で言いました。
「親方のところの後にシルフィードさんのところに行くって言ってたんだけどどうしよう?」
シルフィードさんとはここにいる住んでいるエルフ族の一番偉いお婆様です。エルフ族の中では引退された元族長のお嫁さんだった方で、温和で優しい方です。
シオンは笑いながら言いました。
「大丈夫だ。このことはちゃんと言っておいたさ。シルフィードさん心配してたぞ。そのうちここに見舞いに来られるそうだ。楽しいにしとけ」
「うん、分か……った……」
ホッとしたレオ君はそのまま寝てしまいました。
「レオのすごいところは、一から数百数千以上のレベルに昇華させることなのかもな」
レオ君の側に置かれていた布に巻かれた刀身を持ちながら言いました。
「ハハッ、俺よりすげぇんじゃねぇか」
持ち上げるだけでズタズタになった布を魔法で回収しながら、一時的に魔法処理を施してシオンは部屋から出て行きました。
「あれは切れないように魔法処理しないと怪我するところだったな。あっぶね」
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