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「やった! 完成!」
「おめでとう、レオ」
倒れてから7日後、レオ君はシオンと一緒に刀を完成させました。
あれからレオ君は、親方と鍔(つば)を。シルフィードさんと鞘と柄(つか)を作りました。
エルフ族は森に住んでいるので木工に長けています。シルフィードさんも例外ではありません。寧ろ腕前はエルフきって実力者です。
そして今、ついにレオ君は刀を完成させました。
回路のような幾何学模様のラインが走っている、漆黒の落ち着いた雰囲気を醸し出す鞘。
群青色の柄に、魔法的意味合いを持たせた鍔。
これらを組み立てて完成した刀を見てレオ君は思いました。
試し切りがしたい。
そこで壊れても問題がなく、すぐに切っても良さそうなもので、怒られないもの。
「魔武器なら切っても元に戻るだろうし、試しに魔武器斬ってみろよ」
と、いうことでレオ君は自分の魔武器をぶった切って見ることにしました。
庭の広いところに来たシオンとレオ君は早速、左手に刀を持って、右手で魔武器の歯ブラシを上に投げました。
そして、歯ブラシを一閃しました。
キーンという音と共に真っ白な閃光が広がりました。
その瞬間、レオ君の頭のなかに何かが流れこんできました。
「天地開闢(インティフィス)――刀式」
すると、歯ブラシはレオ君の作った刀とは対照色の刀になりました。
刀を鞘に戻して、右手でインティフィスを掴みました。
純白の鞘に紅蓮色の柄。抜いてみると刀身は白く、青白い刀紋が広がっていました。
「なるほど、僕の魔武器は歯ブラシの状態で斬られたり破壊されたモノに変化させられることができるのか。で、変化させた状態ならぶつかった時点で相手の能力をコピーするのか」
「魔武器の名を10日も掛けずに聞き出すとか我が息子ながら驚きだわ。
普通の奴らは勝手に名前付けて、その魔武器の本当の名を知らない奴ばっかり何にどうなってんだよ」
シオンは呆れながら言いました。
「あ、名前付けなきゃ」
黒い方の刀を鞘に戻しながら言いました。
「そうだな、で、何にするんだ」
シオンがレオ君の頭をワシャワシャしながら言いました。
「ん~、じゃあ月姫にする」
「いいんじゃないか、月姫」
「ついでに、こっちはインティフィスって長いから普段はイフィスでいいや」
「なんかそういうところとか、クレアっぽいな」
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