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朝食を食べ終わったレオ君たち。
クレアとルーがおめかししているのを待っている間、軽く魔力の説明の後に、二人はテラスで紅茶を楽しみながら将棋をしていました。
気のせいだとは思いますが、勝負が決まったところを見たことがそんなにありません。
雲海から顔を出している山々の頂きを眺めながら、ノンビリと会話と将棋をしながら親子は会話を楽しんでいます。
「そういえば父さん、今日怖い夢を見たんだ」
レオ君は紅茶を口に含んでから話題を変えました。
「あぁ、俺も気になってたんだ。で、どんな夢だったんだ?」
将棋の駒を進めながらレオ君を見つめます。
「僕に似たような姿の男の人が僕を飲み込もうとしたんだ。なんとか逆に取り込んだけど、身体が張り裂けそうな気がして目が覚めたんだ」
レオ君も駒を進めます。
「どうやって取り込んだのかは気になるが、身体が張り裂けそうな感覚……か」
思い当たる節があるようで、シオンは頭を掻きながら駒を進めました。
「んー、今夜寝る前に俺らの寝室に来い」
「どうして?」
シオンの言葉に疑問を持ったレオ君が訪ねました。
「ちょっと大事な話をクレアも交えてしたいからな」
紅茶を一口飲んで、シオンはレオ君の側に来ました。
「ちょっと、調べるぞ」
そう言ってレオ君の頭に手を添えました。
シオンは目を瞑り、数秒間風が吹く音だけが聞こえました。
「もうこんな時期か。早いな」
レオ君の頭をわしゃわしゃと撫でながら答えました。
レオ君はふくめっつらで答えました。
「……なんでもったいぶるの。早く教えてよ」
シオンは伸びをしながら答えました。
「さぁな? 今夜になれば分かるんだからいいじゃないか。
そんなことより王都を楽しもうぜ。クレアもルーも準備出来たみたいだ」
レオ君の脇を掴んで持ち上げて肩車をして歩き出しました。
向こうからシオンとレオ君が呼ばれる声がしました。
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