幼少期

3/37
前へ
/40ページ
次へ
朝食を食べ終わったレオ君たち。 クレアとルーがおめかししているのを待っている間、軽く魔力の説明の後に、二人はテラスで紅茶を楽しみながら将棋をしていました。 気のせいだとは思いますが、勝負が決まったところを見たことがそんなにありません。 雲海から顔を出している山々の頂きを眺めながら、ノンビリと会話と将棋をしながら親子は会話を楽しんでいます。 「そういえば父さん、今日怖い夢を見たんだ」 レオ君は紅茶を口に含んでから話題を変えました。 「あぁ、俺も気になってたんだ。で、どんな夢だったんだ?」 将棋の駒を進めながらレオ君を見つめます。 「僕に似たような姿の男の人が僕を飲み込もうとしたんだ。なんとか逆に取り込んだけど、身体が張り裂けそうな気がして目が覚めたんだ」 レオ君も駒を進めます。 「どうやって取り込んだのかは気になるが、身体が張り裂けそうな感覚……か」 思い当たる節があるようで、シオンは頭を掻きながら駒を進めました。 「んー、今夜寝る前に俺らの寝室に来い」 「どうして?」 シオンの言葉に疑問を持ったレオ君が訪ねました。 「ちょっと大事な話をクレアも交えてしたいからな」 紅茶を一口飲んで、シオンはレオ君の側に来ました。 「ちょっと、調べるぞ」 そう言ってレオ君の頭に手を添えました。 シオンは目を瞑り、数秒間風が吹く音だけが聞こえました。 「もうこんな時期か。早いな」 レオ君の頭をわしゃわしゃと撫でながら答えました。 レオ君はふくめっつらで答えました。 「……なんでもったいぶるの。早く教えてよ」 シオンは伸びをしながら答えました。 「さぁな? 今夜になれば分かるんだからいいじゃないか。 そんなことより王都を楽しもうぜ。クレアもルーも準備出来たみたいだ」 レオ君の脇を掴んで持ち上げて肩車をして歩き出しました。 向こうからシオンとレオ君が呼ばれる声がしました。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加