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石造りの部屋から出て通路を抜けると、四人の受け付け嬢が待機しているカウンターのある部屋に着きました。
「息子の正規身分証明書と娘の仮身分証明書を発行してもらいたい」
シオンは肩からレオ君を下ろしながら言いました。
「かしこまりました。只今他のお客様もいらっしゃいませんので、奥様は隣で仮身分証明書の発行を行ってはいかがですか?」
「ふふっ、そうさせてもらおうかしら。シオン、お願いね」
「了解、そっちは宜しく」
2人はカウンターの前に座って、互いに子供を膝の上に乗せました。
二人とも可愛いですね~。頬っぺたプニプニしたいです。
「ではシオン様。正規身分証明書の書類を記入してもらいたいのですが、宜しいでしょうか?」
受け付け嬢は後ろに待機している人から書類を受け取り、シオンに見せました。
「仮身分証明書を発行した際に紙を貰っていてな。一応書いてきたがこれで良いか?」
シオンから書類を受け取った受け付け嬢は内容を確認しました。
「はい、改正された後の分なので問題ありません。では、こちらの魔水晶に息子さんの魔力、もしくは血液を垂らしてください」
受け付け嬢は足元からこぶし大の魔力水晶を取り出しました。
「よし、レオ。魔力を流してみろ」
シオンはニヤリと笑ってレオ君の頭を撫でながら言いました。
「うん。よいしょ」
レオ君は魔水晶に掌を翳して魔力を流しました。
「ありがとうございます。では、少々お待ちください」
「ちょっといいかな?」
後ろに控えようとする受け付け嬢をシオンは引き留めました。
「はい。なんでしょうか?」
「この子に魔武器を生成させてやりたいんだが、魔武器練成室は空いているか?」
「ちょうど今は空いています。後2時間後にご予約はございますが、問題ないかと思います」
「そうか、ありがとう。それじゃあ、待ち時間の間に作らせて貰うか。
何かあったら嫁に頼んで俺に念話をしてもらってくれ。
クレア、ちょっと行ってくる」
「いってらっしゃい」
クレアは書類を書いている手を止めて答えました。
「魔武器を作るの!」
「あぁ、楽しみか?」
「楽しみ!」
ワクワクしているレオ君、とても可愛いです。
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