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「ここが魔武器生成室?」
「あぁ、そうだ。ここは龍脈の中心に建てられてるんだ。まぁ、ここを中心に王都を形成していったというのが正しいんだけどな」
王都中央集会所の地下にあるここには、地面にびっしり巨大な魔法陣が描かれており、怪しい光を微かに放っています。
「ここに自分の血を流すことで魔武器を作ることが出来る。
魔武器は血を触媒に作られるから使用しない時は自分の身体の一部になる。そして、魔武器はその血の持ち主にあったものが生成される。
血を触媒に強大な力を秘めた龍脈の力で生成するから訳だし、それだけ強力な代物でもあるから注意しろよ。
まぁ、その人にあったものが生成される訳で未熟な奴の魔武器は未熟なんだよ。
だから、訓練しないと魔武器は本来の姿や力を出せない。大概成人する頃には勝手に本来の形になるが、本来の形になるまでに鍛えた人の魔武器の方が強力だとされている。
ここだけの話だが、形にはなるが本来の力は出せない人は大勢いるだけなんだよな」
そんなシオンの説明も右耳から左耳へ受け流しつつ、レオ君は徐ろに地面をなぞっています。
「ねぇ、父さん。王国を包み込む範囲で対魔・対物反射隔絶結界って書いてるみたいだけど大丈夫なの? 発動はしていないみたいだけど」
シオンの方に顔を向けて首を傾げて答えました。
「問題ないだろ、俺だって作ろうとしたら今からでも作れるし」
「そうなんだ、じゃあ血を垂らしてみよう」
レオ君はポケットからナイフを取り出して、親指を軽く切りました。
「よくお前ナイフなんか持ってたな」
「じいちゃんが護身用だから持っとけって」
その言葉を聞いてシオンは一瞬バツの悪い顔をしましたが、どうやら何かを諦めたようです。
「しょうがねぇか。お、来るぞ」
ぽたりと地面にレオ君の血が垂れました。
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