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純は、不思議な現象が大好きな少年だ。
例えば、理科の実験でリトマス紙の色が変わるだけでもどきどきしてしまう。
その原理が面白すぎて理科室を遊び場にするような男の子だ。
屋敷の話を聞いて心が踊らないわけがない。
「わかった。知世も来ると良いよ。だけど怪我をしても知らないからな」
「怪我なんかしないわ。今度、ガチャガチャが襲ってきたら返り討ちにしてやるんだから!」
意気込む知世を見て、純は笑ってしまう。
「直ぐに逃げようとするんじゃない?」
「そんなことないわ」
知世が首を大袈裟に振る。
「それに、怪我をしたら発表会には出られなくなるんじゃない?」
純は知世の質問を切り返す。
知世が我に変えり、沈黙はする。今度の発表会は知世の技能試験だ。ピアノの試験に出られないのは悔しいことだ。知世が大きなため息と同時に言葉を吐いた。
「それは、嫌」
「それなら、俺の言うことを聞いてよ」
「それも嫌」
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