からくり屋敷と謎の紳士

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 音はカケルと知世に近付いた。  二人の前に現れたのは甲冑だった。  社会の勉強で外国の騎士が着ていた銀色の鎧が、闇の中で剣を振りかざす。  カケルは反射的に知世を庇う。知世の手がカケルを引っ張ると同時に剣が廊下を叩いた。  聴いたことの無いような音が響き渡る。不協和音に鳥肌が立つ。  カケルは、知世の手を引いて廊下を脇目も振らずに走り抜ける。  後ろからガチャガチャと音が迫って来る。  カケルは扉を開けて知世を先に庭へ押し出した。
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