第1章

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ふと目覚まし時計に目を向ける。 時刻は5時半過ぎ、6時に差し掛かろうとする場所をさしていた。 ……ん?早くね? ポカンと口を少し開けて動きを止める。 あれー、おかしいな。 普通に起きたような気がしたんだが……。 体内時計が少し狂ったのかな? とりあえず、もう一眠りするか。 そんなことを考えてもう一度布団に潜り込もうとしていると階段を誰かが上がってくる音がする。 「朝だよー」 バンッとドアを蹴破るようにして双子の妹、星森杏は部屋に入ってきた。 「おー、もう起きてる、けど寝る」 俺は布団に潜り込もうとするのを再開する。 「なにバカなこと言ってるの、ご飯もう盛っちゃったよ」 そう言いながら、俺に後ろから蹴りを食らわしてきた。 「ぐはっ……」 布団に叩きつけられると同時に、後ろから手を引っ張られてもう一度立たせられた。 「よし、もう一回寝ておきたね」 そんな理不尽なことを言いながら杏は俺を引っ張り出ていった。 もちろんドアは開けたままだ。 階段を降りている途中で手を放される。 俺はドアを閉めに戻ってから、もう一度リビングに向かった。 また寝たりしたら蹴りを入れられそうだ。 まあ、たまには早起きもいいか。
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