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歳は、俺とそれほど違わない、20代半ばといった所だろうか・・。
物分りがいいのか・・。
ただの楽観主義なのか・・。
「あーあ、お腹すいたなー」
そう言いながら、桃子はベッドにごろんと横になった。
再びギシっと軋んだベッド。
桃子が身につけている、どう見ても機能的ではないスーツの上からでも分かる、
胸の膨らみ。
そして、何の意味があるのかよくわからない腰に巻かれた布から無造作に出ている素足に、思わず目がいってしまう。
2000年前の女か。
この時代の女とは、違った機能を備えてるのだろうか。
女には困ってはいないが、
興味と好奇心が沸き上がってくる。
俺は、桃子に気づかれないようにゴクンとつばを飲みこんだ。
「ハンバーガーって、この世界にもあるんですか?
私、テリヤキバーガーが食べたいな」
警戒する様子もなく、桃子は下から俺をまっすぐに見つめた。
「ハンバーガー?なんだそれは・・」
「やっぱないんだー。ざんねーん。
なんか食べるもの、持ってなかったかなぁ・・」
落胆した声を出しながら、桃子は着ているスーツのポケットを探り始める。
「食べるものなら・・」
医師たちに指示して持ってこさせよう。
そう言おうと思ったとき、
桃子は、探っていたポケットから小さな箱のようなものを取り出した。
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