性癖

16/63
前へ
/272ページ
次へ
「…和泉……せんせ…」 男というものはやはり、基本が攻め方だからなのか、人を弄るというのを、たまたま隆宏も好きだったからなのか。 不思議と、今の行為を嫌とは思えなくて、快感に喘ぐ白那を隆宏は見ていたいと思ってしまった。 かわいい、と。 そんな風にさえ思ってしまう。 サワ── 白那は隆宏の頭に触れる。 撫でるように、優しくなでる。 「それ……好きです」 「…頭……撫でられるのをですか…?」 「はい…」 心地良い。 「………白那さん…私……おかしいです」 ずっと、こうしていたいと思うなんて。 おかしい。 「知ってますよ。今日の和泉先生は、和泉先生らしくありません。眼球効果って奴ですかね?」 それは関係ないだろ、なんて思う。 けど、、 「みたいですね」 今の俺は、そういう気分でいたかった。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

279人が本棚に入れています
本棚に追加