Innovation 1

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休日のとある学校内、校長室では話が行われていた。 「まだですかー?校長、約束の時間が過ぎていますが…」 「まあ焦るでない、彼は忙しいのだ…そろそろ来るだろう…」 「それにしても、その訳ありの転校生というのは…校長とはどういったご関係で?」 「…特にはないと言うべきかな、まあ知り合いだよ…」 「知り合い?…ってそんな交友関係が広い…」 すると扉のノック音が聞こえてきた、そしてその待っていた人が姿を現す。 「…失礼します、すみません…少しオーバーでしたよね?」 「まあ気にするな!…どうぞ座って座って!」 ソファに腰掛けた校長、教頭、そして転校生は話をし始めた。 「…とまあ前にも言ったが、宜しく頼むよ」 「はい、ちゃんと学校にも登校出来るので、問題はないです」 「…うむ、さて教頭先生からも何か質問ありますかな?」 「はあ…君、年齢はいくつなんだ?…あと、届けを見ると…あまり詳しくは書いてないみたいだが…」 「…普通に小中と学校へ行き、高校へも進学して、転入として来ているだけですよ…そうですよね?校長…」 「間違ったことは言っとらんよ、彼にも高校生活を楽しむ権利がある…」 「まあ…そうですね……ところで、クラスはどうされます?私的には、人数を考えてCクラスが良いかと思われますが…」 「…さすが教頭先生、もちろんそのつもりだ、ふふっただ人数的にはだけ…ではないが…」 「…えーっと始業式が始まるまでは、担任の先生もわかりませんが、楽しみにしといてください」 「わかりました、よろしくお願いします!…」 転校生が校長室を後にすると、校長と教頭が話し始めた。 「…あの子?…なのか、特別に転入を許した感じもあるのですか?…」 「…特別枠などない、彼は普通にこの学校に入れる者であったから転入しただけのこと…ご不満かな?…」 「…いえ、真面目そうではありますが…明らかに彼は、現役では…」 「いつ転入しようと個人の自由、それにだ…彼は、この学校に必要な転校生なのだからな…」 「…深くは掘り下げませんが、あの静かなクラスに…彼の様な転校生が入る…不安ではありませんか?」 「むしろ合っている、と私は思うがな…まあ、先生方も大変にはなるかもしれませんが…ははは…」 転校生は校門の前に立っていた。 「…さあ、お世話になるよ…学び舎を糧として…」
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