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いつも通りの朝を迎える千夏、そしていつもの道を通り学校へと登校する。
「あれ、早かったね二人とも、どしたの?」
「私は普通だと思うけど、あいつの方はどうだろうねー…まあ」
「頼む!後ででいいから貸してくれ!頼むよー!…」
「…はは、なるほどね、まあバカだから仕方ないよ」
すると、あの転校生が登校してきた。
「…なんだい、顔に何かついてるのかな?」
「いや、そうじゃないけど…おはようー…」
千夏は、平然と登校してきたこの男に、あの時の出来事を思い出していた。
「……どっちも、同じ若月君なんだよね…」
「見ればわかるだろ、それにどうだ…思い返してみて、あの人の見る目は変わったのか?」
「そんな…別に、今まで通りですけどー…特には何にも」
「ふん、まあ涙は謝罪する主義だ、いつか変化の時がくるだろう…」
「まあ…なんかあったら、また頼るかもしれない、かも…」
「君はVIP待遇だ、いつでも待っている」
ここまでこだわる転校生を、千夏は不思議としか思わなかった。
「若月ー!何がVIPなんだー?…何の話だよー」
「それは、この人に聞いたらどうだろうか」
「わっ私は何も関係ない!…いいから気にすんな!…ったく」
「…さあ、お前ら席につけー!ホームルーム始めるぞー!」
担任の松本が話をし出すと、生徒達はあの話がされるのを覚悟していた。
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