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『図書館』二階:司書待機室
前の持ち主が置いていった絵画を見ながら、夏一は報告を待っていた。
「夏一さーん!連れてきましたよ~」
間延びするような、だが透き通った声。
『図書館』に居座る魔法使いの帰還である。
「やけに遅かったじゃないか?道草でもくってたのか?」
少し馬鹿にしたような言い方で彼女を迎える。
「だって、すばしっこいんだもん。しかも教会の連中、赤ネクタイ三人とか本気出し過ぎでしょー」
と、沙織。
沙織の言う赤ネクタイとは、教会のランク付けで一級魔術師の事を指す。
それを三人となると、じじい共も相当本気のようだ。
「やだ~、図書館狙われるじゃん」
おどけて言う俺。
平和そうですね~と沙織が言ったような気がするが、いい加減本題に入らなければ。
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