第1章 『アリス』

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『図書館』一階:玄関ホール 「凛さん、赤ネクタイの方々はどう出てくると思う?」 ここの図書館は一般の本も取り扱っており、二階を一般人へ開放しているのだが、今日は雨だからか誰もおらず静かだ。 「ドア壊して魔術放ってくる、に夕飯賭けます」 「賭けます、って…別に賭じゃないんだけど…まぁいいか。 じゃあ俺は、普通にドア開けて問答無用に魔術ぶっ放してくる、に夕飯賭けよう」 「二人とも外れたらどうしますか?」 「そうだなぁ…二人で沙織に夕飯奢るってのは?」 「そうしますか」 凛さんとの和やかな会話。そして、窓を破って入ってくる赤ネクタイをした人間三人。 「あちゃぁ、窓壊しやがって。 高いんだぞ、その窓…」 「賭も外れましたね…痛い出費になりそうです」 金の心配しかしない俺ら 俺らの発言に苛ついたのか、口を開いた魔術師の一人は甲高い声を張り上げてこう言った。 「私たちは教会認定の一級魔術師。 『図書館』代行、本田夏一に告ぐ 『アリス』を渡して貰うわ」
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