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『図書館』一階:玄関ホール
「凛さん、赤ネクタイの方々はどう出てくると思う?」
ここの図書館は一般の本も取り扱っており、二階を一般人へ開放しているのだが、今日は雨だからか誰もおらず静かだ。
「ドア壊して魔術放ってくる、に夕飯賭けます」
「賭けます、って…別に賭じゃないんだけど…まぁいいか。
じゃあ俺は、普通にドア開けて問答無用に魔術ぶっ放してくる、に夕飯賭けよう」
「二人とも外れたらどうしますか?」
「そうだなぁ…二人で沙織に夕飯奢るってのは?」
「そうしますか」
凛さんとの和やかな会話。そして、窓を破って入ってくる赤ネクタイをした人間三人。
「あちゃぁ、窓壊しやがって。
高いんだぞ、その窓…」
「賭も外れましたね…痛い出費になりそうです」
金の心配しかしない俺ら
俺らの発言に苛ついたのか、口を開いた魔術師の一人は甲高い声を張り上げてこう言った。
「私たちは教会認定の一級魔術師。
『図書館』代行、本田夏一に告ぐ
『アリス』を渡して貰うわ」
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