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「なぁ、その話をする前に少し話をしないか?」
俺はそう言いながら腰の刀に手を添える。
相手がどう出ようが対処できるようにする為だ。
居合刀『鈴刀 柚葉』
抜いたときに鈴のような音しかならないことから、鈴抜とも呼ばれていたらしい。
それの存在を確かめながら、深呼吸する。
「我々を馬鹿にしているのか?『図書館代行』」
「いやいや、俺如きが一級魔術師様を馬鹿にはしないさ」
「貴様っ…!」
後ろで立っていた二人の赤ネクタイが儀式用のナイフを取り出す。
「ふーん…『純海石のナイフ』なんか出すなんて、司書相手には完全な悪手だな
焦っているのかい?」
「煽ってどうするんですか?
一級魔術師が暴れでもしたら納品された禁書が駄目になりますよ?」
「そ、それは困るよ…玄関ホールの結界だって万能じゃない。
暴れ回られるよりも先に潰した方が良いのか?」
「司書如きが我々に刃向かえるほどの力があるとでも言うのか!
貴様、我々をどれほど馬鹿にすれば気が済むのだ!!」
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