第1章 『アリス』

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全く知らなかった。 日本で暇してた頃、支部長に 「ロンドンで『図書館』代行やってきてよ、終わったら戻って良いから お土産は何だって良いからね~」って言われただけだってのに。 終わったらって、新館長見つけるまで終わらないのかよ! 「貴方達が束になっても勝てませんよ。 司書如きと仰っていましたが…私達から言わせてみれば魔術師如きが司書相手に勝てるわけない、と思うんですがね?」 うなだれている俺をよそに、凛さんがトドメを入れに行く。 人間、此処まで言われて取る行動は大抵二つに絞られる。 1.諦めてすごすご帰る 2.逆上して暴れまわる 「貴様ら!言わせておけば!!殺してやる!我々の全力をもって貴様らを殺し尽くしてやる!」 2だったようだ… ブチギレた魔術師達は研究の成果である魔術を同時に使い始める。 <尽きること無き炎よ ヘーパイストス・ブレイズ> 「ったく…。魔術師ってやっぱりめんどくせぇ連中ばっかだなぁ。 火属性の一詠二補の三人詠唱なんかこんな狭いとこでやんなっての。」 魔術によって燃え尽きることの無くなった炎は、俺と凛さんに向かって飛んでくる。ただ、魔術師達は司書を見くびりすぎだ。
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